はじめに:Diezel Herbertを3年使い込んで感じたこと
ドイツ製ハイエンドアンプの代表格、Diezel Herbert mk3。
「高すぎる」「メタル専用」と言われがちですが、3年間メインアンプとして使ってみて、
僕はこのアンプを手放せない一台だと感じています。
この記事では、実際の使用経験から
・音の特徴
・操作性
・実際の現場での扱いやすさ
・気になる欠点
を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
1. Diezel Herbert mk3とは?
Herbert mk3は、Diezel社が誇る3チャンネル仕様の超高品質チューブアンプ。
1台でクリーンから超ハイゲインまで幅広くカバーできる万能アンプです。
| チャンネル | 特徴 |
|---|---|
| CH1 | クリーン〜クランチ。芯がありジャズもOK。 |
| CH2 | ロック・パンクに最適な中ゲイン。立ち上がりが速くキレが良い。 |
| CH3 | メタル系の超ハイゲイン。圧倒的なパワー感。 |
特にCH2+(2プラス)は、HEY-SMITHのような抜けの良いドライブサウンドを作るのに最適です。
深すぎず、でも密度のある歪みで、バンド全体の中でも音がしっかり前に出ます。
2. 実際に使って感じた「音のキャラクター」
■ 抜群の立ち上がりと反応性
Diezelの特徴は、ピッキングへの追従性の高さ。
手元の力加減がそのまま音の表情として出ます。
ほんの少しピッキングを強くするだけで、歪みの密度が変わる感覚。
この“レスポンスの良さ”は他のアンプではなかなか味わえません。
■ 中音域が太く、抜けが良い
マーシャルやメサブギーと比べても、Herbertはミッド(中音域)の太さが際立っています。
低音はタイト、高音は耳に痛くない。
結果、バンドアンサンブルの中でも「芯のある音」として存在感を放ちます。
ロックやパンク系にもピッタリで、僕はこれでHEY-SMITH系のリズムギターを再現しています。
3. 使いやすさと機能性
■ 音作りの幅が広い
EQ(Bass/Mid/Treble)に加えて、PresenceとDepthの調整が非常に効果的。
特にDepthは低域の押し出しを調整でき、バンドの音圧を自由にコントロールできます。
「箱鳴りしすぎる」と感じたときにDepthを絞ると、一瞬で締まったサウンドになります。
■ クリーンも意外と良い
ハイゲインアンプにありがちな“クリーンが使えない”という印象は皆無。
CH1はきらびやかで立体感があり、空間系エフェクトとの相性も抜群。
クランチまで上げると、ブルースにも使えるほど自然な歪みになります。
4. 気になるデメリット(正直レビュー)
❌ 重い・デカい・高い
まず重量。ヘッドだけで約25kgあり、持ち運びはかなり大変です。
スタジオやライブのたびに運ぶのは正直しんどい。
そして価格も高級。新品で50万円以上、国内では流通が少なく、入手難易度も高めです。
自分は清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入しました(汗
❌ 初心者には扱いづらい部分も
ノブが多く、最初は設定の意味を理解するまで時間がかかります。
でも一度ポイントを掴むと、どんなジャンルにも対応できる万能さを実感できます。
5. 3年使ってわかった「Diezel Herbert mk3」の真価
僕がこのアンプを3年使い続けてわかったのは、
**「結局このアンプで全部できる」**ということ。
- ピッキングの強弱で表情が出せる
- 音圧があるのに抜けが良い
- セッティング次第でメタルからパンク、クリーンまで対応可能
特に、Gibson Explorerとの相性は抜群。
セイモアダンカンSH-5との組み合わせでは、
**中音域のパンチが効いた“歌うドライブサウンド”**になります。
他のアンプに浮気しても、最終的にまたHerbertに戻ってくる。
それくらい信頼できる相棒です。
6. まとめ:筆者は今でも満足している
Diezel Herbert mk3は確かに価格も重量もハードルが高いですが、
その音質と反応性は唯一無二。
「本物のサウンドを出したい人」には一生モノのアンプです。
もしあなたが、「プロのような太くて抜ける音」を探しているなら、
Herbert mk3は間違いなく選択肢のひとつになります。
筆者としては、3年経った今でもこのアンプに満足しています。

