ギターのチューニングを瞬時に変える、それをペダル1つで叶えてくれるのが DigiTech「DROP」 です。
ドロップチューニング専用のエフェクターで、半音下げから最大1オクターブ下げまで自在に調整可能。
僕も実際に3年以上使ってきましたが、「音質の劣化はほとんど感じない」というのが正直な印象です。
今回は、実践で感じた使い勝手・音質・注意点を、まとめてみました。

🔧 DROPとは?どんな効果があるの?
「DROP」は、簡単に言えばピッチシフターのドロップチューニング特化版。
物理的に弦を緩めたり、別チューニングのギターを用意したりせず、足元のスイッチ1つで音程を下げることができます。
| 設定 | 効果 |
|---|---|
| -1 〜 -7 | 半音下げ〜7音下げまで選択可能 |
| OCT | 1オクターブ下げ |
| MOMENTARYモード | 踏んでいる間だけ音を下げる(エフェクト的にも面白い) |
たとえば、
「レギュラーチューニングで弾きたいけど、バンド練習ではドロップDが多い」
「ライブでチューニング変更に時間をかけたくない」
──そんな時に本当に重宝します。
🎶 音質劣化はほとんど感じない
ピッチシフト系エフェクターで一番気になるのが「音の劣化」や「遅延(レイテンシー)」ですが、DROPはその点が非常に優秀です。
僕は Gibson Explorer(SH-5搭載)+Diezel Herbert MK3 で使っていますが、
・原音のアタック感
・倍音の抜け
・ミッドレンジの太さ
どれも「そのまま」感じ取れるレベル。気持ち少し変わってるような気もしますが
特に半音〜1音下げまでなら、ほとんど劣化を感じません。
強いて言えば、低音側で少しデジタルっぽさが出ることもありますが、バンドアンサンブルでは全く気にならない範囲です。音ぬけを重視するのであればイコライザー等をかませることで好みの音にできます。
🧠 実践で便利な使い方
① 半音下げ専用ギターを持たなくていい
DROPがあれば、わざわざ「半音下げ用ギター」を持ち替える必要がなくなります。
ライブで1曲だけチューニングが違う場合でも、足元でワンタッチ切り替えが可能。
フロイドローズ搭載のギターは特に恩恵がありますね。
② ドロップDにも即対応
ハードロックやメタル系ではおなじみのドロップD。
DROPなら「-2」設定で簡単に再現でき、ブリッジミュートも心地よく響きます。
③ MOMENTARYモードで表現を広げる
例えば、ギターソロの一部で瞬間的にピッチを下げる──。
この“踏んでいる間だけ”の設定を使えば、まるでアーミングのようなトリッキーな効果を演出できます。
⚠️ 注意点:部屋弾きの「気持ち悪さ」
これは実際に使ってみないとわからない部分。
小音量(アンプを通さない or 小さく)で弾く場合、
ギター本体から聞こえる「生音」と、アンプから出る音程がズレるんです。
たとえば半音下げ設定だと、
ギターは通常の音程(レギュラー)を鳴らしているのに、
アンプからは半音下の音が出る。
結果、脳が混乱して気持ち悪い。
特に夜間の練習などで小さな音で弾く人は、この違和感が地味にストレスになります。
🧩 解決法としては:
- オーディオインターフェース経由でヘッドホン練習
- モニター音量をやや上げて、生音をかき消す
これでほぼ違和感は解消できます。
🧰 セッティングのポイント
- エフェクトループよりギター直下接続がおすすめ。
→ アンプの前段でかけることで、より自然な反応になります。 - アクティブPUでも問題なし。
→ 入力感度が高くても追従性が優秀。 - 電源は9Vセンターマイナス、アイソレート推奨。
→ 安定した電源供給でノイズを防げます。
💬 まとめ:DROPで広がる音作りの自由
DigiTech DROP は、
「チューニング違いを気軽に試せる」
「ライブでもセッティングがシンプルになる」
「音質も優秀」
そんな万能ツールです。
ただし部屋弾きでは「生音と出音のズレ」問題があるので、
そこだけ対策すれば完璧。
自宅練習、ライブ、どのシーンでも活躍できる
“現代ギタリストの必需品”といっていいでしょう。

