■ 高校時代、手が届かなかった憧れの一本
ESP ILP-IV(INORANシグネチャー)が発売されたのは 1997年。
当時の僕はまだ高校生。楽器屋のカタログを眺めながら、
「いつかこのギターを弾きたい」
そう思い続けていた。
紫に揺れるトップ、SSH配列、INORANらしい佇まい。
完全に“憧れ”の存在だったが、高校生には手の届かない価格帯だった。
■ 大学生のときネットで奇跡の1本を見つけ、大阪へ向かった
数年後、大学生になったある日。
いつものようにネットの中古ギターサイトを見ていると
衝撃の1本 を発見する。
画面に映ったのは、
ずっと憧れ続けた ILP-IV(Viora)。
状態良好、木目も美しい。
写真越しでも異様な存在感があった。
「これは絶対に行かなきゃあかん。」
そう思った瞬間、気づいたら
大阪の楽器屋へ向かう電車の中 にいた。
実物のVioraは画面越しの何倍も美しく、
光の角度で黒にも紫にも青にも揺れる唯一無二の色だった。
その場で迷う理由なんてなかった。購入を即決した。
■ 僕が Viora を選んだ理由 ― 紫という“美学”
ILP-IVは Marrone(茶)、Rosso(赤)、Viora(紫)の3色展開。
でも僕は当初から Viora一択。
理由は単純で、
紫が心底好きだから。
そしてVioraは本当に不思議な色だ。
- 薄い光 → 深いワインレッド
- 暗い部屋 → 黒紫
- スタジオ照明 → 青紫
- 横から光 → 木目が浮き上がる
- 写真 → 日によって別物の色に写る
まるで1本で“3色のギター”を持っているような変幻自在さ。
ずっと眺めていられるほど美しい。
■ キルトメイプルが“揺れて見える”表情の多さ
ILP-IVの魅力は、
トップのキルテッドメイプルが揺れて見えること。
📷 写真①モノクロ

📷 写真②(木目アップ)

📷 写真③(青ライト反射)

📷 写真④(JC-120前のスタジオ照明)

📷 写真⑤(モノクロ気味)

全て同じギターとは思えないほど表情が違う。
これがViora最大の魅力。
■ SSH構成が生む“幅広いトーン”
ピックアップは
S(フロント)/S(センター)/H(リア) のSSH。
- フロント+センターのクリーンは“コロン”と丸い
- INORANの終幕前のクリーンを最も再現しやすい
- センターはコードが気持ちよく抜ける
- リアはGibsonほど暴れないが、むしろ自然で扱いやすい
INORANパートに必要なサウンドは全部出せる。
■ 終幕前のサウンドと相性抜群
僕にとってILP-IVは、
特に 終幕前のLUNA SEAの曲を弾くとき“必須の1本”。
- 冷たく透明感のあるクリーン
- 奥行きのあるコードストローク
- 無駄に歪まない自然なリア
- 紫のボディが醸し出す世界観
「このギターなら出したい音が出る」
と初めて思えたモデルだった。
■ 実はオールマイティで、ジャンルを選ばない
INORANモデルといっても偏っていない。
ILP-IVは驚くほど万能。
- クリーン最高
- クランチが気持ちいい
- ポップスもロックも合う
- 軽いので長時間弾いても疲れない
日常使いにもライブにも使える万能シグネチャー。
■ 裏のシリアルナンバーと“28年”という重み
背面にはしっかりシリアルが彫られていて、
それを見るたびに思う。
「あの日、大阪まで行って出会った一本なんだ」
そして気づけば、このギターが生まれて 28年。
ついに ちょっとしたビンテージの仲間入り。
新品の輝きとは違う、
“時の深み”が出てきているのがまた良い。
■ 僕はこのギターを一生手放さない
ILP-IVを持っている人はもうほとんど見かけない。
だからいつか、同じギターを持っている人と
お互いの木目を並べて語り合ってみたい。
これは、僕の人生が詰まった一本。
ずっと手放すつもりはない。
■ そしてこのギターを、僕はDiezelで鳴らしている

最後にひとつだけ。
この ILP-IV(Viora)を弾くときでも
僕は Diezel Herbert を使っている。
実はDiezel Herbertのクリーンチャンネルはめちゃくちゃ綺麗。
クリーンでもクランチでも、
ILP-IVの“紫の響き”がそのままアンプに乗って、
立体的で奥行きのある音になる。
ILP-IV(Viora) × Diezel
この組み合わせが、僕の中では見た目最強。
ステージに立てば、
黒紫のボディと Diezel の黒い壁がまた最高に映える。
28年経って少しビンテージの仲間入りをした ILP-IV を、
このアンプで鳴らすこの瞬間が、
僕にとっては何よりの幸せだ。

