ギターを30年近く弾いてきて、これまで何本もギターを所有してきました。
その中でも、今いちばんスタジオに持っていく回数が多いのが Gibson Explorer 120th です。
いわゆる「一生モノ」というほど気負った存在ではなく、
- 軽い
- 音が好み
- 取り回しがラク
という理由で、現時点では“スタジオ用のエース” というポジションに収まっている1本です。
今回は、
- なぜこのモデルを選んだのか
- どんな流れでこのギターにたどり着いたのか
- 実際に行った改造内容
- 改造後のリアルな音の変化
このあたりをすべて 実体験ベース でまとめていきます。
HEY-SMITHがきっかけで「猪狩さんみたいなギターで弾いてみたい」と思った
このギターにたどり着いた一番最初のきっかけは、
HEY-SMITHを好きになったことでした。
あのスピード感、勢い、分厚いバンドサウンド。
その中でも特に目を引いたのが、ギタリストの 猪狩秀平さん です。
「この人と同じようなギターで、一度スタジオで思いきり音を出してみたい」
そんな気持ちが、だんだん本気になっていきました。
でもESPのシグネチャーモデルは現実的じゃなかった
当然、最初に候補に挙がったのは
猪狩さんのESPシグネチャーモデルでした。
ただ現実は、
- 中古はほぼ市場に出てこない
- 新品は約60万円クラス
- 正直、今の自分にはかなり厳しい価格帯
という状況。
「さすがにこれは無理やな……」と一度は諦めました。
それなら「Gibsonで似た方向性を自分好みに作ろう」と考えた
そこで出てきた発想が、
それなら、ギブソンで
猪狩さんっぽい方向性の1本を
自分好みに作ればいいやん
というもの。
- Explorerという変形ボディ
- ゴールドハードウェア
- ロック向きのパワーあるサウンド
この条件に一番しっくりきたのが、
Gibson Explorer 120th Anniversary でした。
レスポール・カスタムからExplorerへ|重さの問題
それまでメインで使っていたのは、
Gibson レスポール・カスタム(ブラック)。
- 黒ボディ
- ゴールドパーツ
- 見た目の重厚感
- サウンドの太さ
この組み合わせがとにかく大好きで、
「ゴールドパーツ=正義」 という感覚はここで完全に刷り込まれました。
ただ問題は、とにかく重たいこと。
スタジオで2〜3時間弾くと、
- 肩にずっしりくる
- 演奏後に疲れが残る
- 正直、年齢的にもキツい
という現実も。
そんなときに出会ったのが、
軽いのにロックな音がしっかり出せる Explorer でした。
実際に持ち替えてみると、
「見た目の満足感はレスポール譲り」
「体のラクさはExplorerの圧勝」
という、かなり理想的なバランスに落ち着きました。
なぜ120周年モデルにしたのか?
Explorerの中でも、あえて120周年モデルにした決め手は2つあります。
ネックにバインディングが入っている
レスポール・カスタムを長く使ってきた自分にとって、
- ネックバインディング
- ブラックボディ
- ゴールドパーツ
この組み合わせはどうしても外せないポイントでした。
Explorer特有のワイルドさに、
120周年モデルは少し上品さが足された印象で、そこがかなり刺さりました。
タイミングよく「黒の120周年」が中古で出てきた
そもそも、
- ブラックのExplorer自体が少ない
- さらに120周年モデルとなると、かなりレア
という状況の中で、
ちょうど探していたタイミングで中古に出てきたんです。
新品より現実的な価格で、
しかも欲しい条件がほぼ全部そろっている個体。
「これはもう縁やな」
と思って、ほぼ迷わず決断しました。
新しいオリジナルバンドに加入して、やる気MAX
そしてちょうどこのタイミングで、
新しくオリジナル曲を作るバンドに加入した というのも、大きなポイントです。
ジャンルは、
- 古き良きパンクロックの勢い
- 今のロックっぽい重さ
この2つを融合させたようなサウンド感。
とにかく今は、
「ギターを弾くのが一番楽しい時期」 に入っています。
- 立って弾く
- テンポが速い
- 音量も大きい
そんな状況でも、Explorerは
- 軽い
- 肩への負担が少ない
- でも音はロック
という感じで、今のバンドにかなりハマっています。
実際の改造内容
Seymour Duncan SH-5に換装
リアのピックアップを
Seymour Duncan SH-5(Custom) に交換しました。
SH-5にして一番変わったのは「音の分離」
純正ピックアップも悪くはなかったのですが、
SH-5に交換して一番ハッキリ感じた変化は、
「歪ませていても、各弦の音がきちんと聞こえるようになった」 という点です。
以前は、
- 歪ませると音が少し団子になる
- コードを鳴らしたときに分離があいまい
と感じる場面がありましたが、
SH-5にしてからは、
- 強く歪ませても音が潰れにくい
- 1弦1弦の存在感がハッキリする
- バンドの中でギターが前に出てくる
という印象に変わりました。
「音が太くなった」というより、
「音が整理されて、はっきりした」 という感覚が近いです。
ゴールドハードウェア&ロッキングペグ
見た目の統一感を出すために、
- ブリッジ
- テールピース
- ペグ
もゴールドで統一。
さらに Grover ロッキングペグ に交換して、
- チューニングの安定
- 弦交換の速さ
もかなり快適になりました。
バンドメンバーからの評価
SH-5に替えてしばらくして、
リハ中にメンバーからこんなことを言われました。
「音めっちゃ良くなってない?」
「ギター前に出てきた感じする」
「見た目も正直かなりカッコいい」
自分ひとりで「良くなった気がする」と思うのと、
第三者からはっきり言われるのとでは、説得力がまったく違います。
次に変えるなら?ピックガードの話
もしこの先でさらに手を入れるなら、
次に変えてみたいのはピックガードです。
ただExplorerは形状が特殊で、
- 市販品が少ない
- ワンオフ制作になる可能性
- 微調整が必要
など、意外とハードルが高いカスタムなのも事実。
今の完成度にはかなり満足しているので、
ピックガード交換は「いつかの楽しみ」として考えています。
そして、まずはこのギターで初ライブを
ここまでいろいろ手を入れてきた
この Gibson Explorer 120th ですが、
実は まだこのギターでライブは一度もやっていません。
バンドも動き出して、
音も見た目も評価してもらって、
あとはもう ステージに立つだけ という状態です。
このExplorerが、
どんな曲を鳴らして、
どんな景色を一緒に見せてくれるのか。
まずはこのギターで、初ライブをしてみたい。
今はそんな気持ちです。

